CNET Japanが開催したAI関連のイベント「CNET Japan Live 2017 ビジネスに必須となるA.Iの可能性」には、マイクロソフト・IBM・富士通のようなAI研究のメインプレイヤーからの発表から、リブセンス・ナビタイム・朝日新聞・JR東日本などのサービス提供企業、トレジャーデータ・ブレインパット・レトリバなどのベンダー企業、Pepperを展開しているソフトバンクロボティックス、スクウェアエニックス、本田まで数多くの企業からAIヘの取り組みが発表されています。

それらの発表内容から、「キーワード」と思える3つの視点をピックアップして紹介します。

 

AIで新聞社の抱える課題を解決–コールセンターの効率高める自然言語処理の使い所

一つ目のキーワードは、AIがあらゆる企業で活用できる身近な技術になっていることです。朝日新聞では、2013年「メディアラボ」を開設して、その中の活動のひとつとしてAI研究を行なっており、ディープラーニングを活用した自動校正エンジンを開発して、記事のクオリティ向上に活用する等の成果を出しています。
また、レトリバ社のAIソリューションではコールセンターの業務支援として、
・問い合わせ内容を入力すると、回答候補を出してくれるシステム
を提供している事例を報告してくれていますが、IBMやマイクロソフト・富士通などの以前からAI研究を行なってきた企業や、大きな技術集団をもっている大企業だけでなく、さまざまな業種の企業でAIへの取り組みが進んでいるのが感じられます。

 

ナビタイムが考える「移動」におけるAIの可能性–UIはアプリからチャットへ

二つ目のキーワードは、「BOT(チャットボット)」です。AIの中でも大きな割合を占めるひとつの分野は自然言語処理を核とする、「人とのやりとり」ですが、人とのやりとりをAI技術を使って、自動化・
効率化しようとする際に、実現形態として「BOT」という形態をとることが多くなり、どのようなBOTとして実現するかという面と、AI技術の組み合わせのよさがサービスのできを決めていくことを感じさせてくれる記事です。

乗り換え案内サービスのNAVITIMEを提供するナビタイムジャパンが新しいナビゲーションのあり方として、これまでのWebやアプリのUIを超えるものとして、「ボットから提案された情報を選んでいく情報提案型ナビゲーションサービス」となっていくのではないかと発表しています。

 

クラウド認識APIで人間により近く–PepperとAIが生み出す未来の姿

三つ目のキーワードは「データ収集とデータ活用」です。ビッグデータやAIの議論の中でよく紹介される観点ですが、これからは、他者がもっていない「データ」をもっている企業が競争優位を確保しやすくなる面が強くなるようです。AIとの関連では、AIで学習させるための「データ」をもっているかどうか、より多くの、より有益な知見が得られるデータをもっているかどうかが重要になるということになります。

本イベントの中では、日本IBMの講演「社会課題は日本を変革する“天然資源”–IBMがとなえるコグニティブ」の中でも、多くのデータは企業が保有している非公開のデータであり、実はこのデータこそがリアルであり価値があるとふれられています。だからこそ、そのようなデータをすでに保有している企業は有利であり、そのデータを活用するべきでもあるわけですが、その講演の中では、「データ」を共有することができれば、学習により多くのメリットを得ることができるのではないかとの提言をされています。

こちらのソフトバンクロボティクスの講演では、Pepperのメリットとして「デジタルサイネージやタブレット端末などと比較して、人々が足を止め、話を聞き、行動してくれる顧客エンゲージメントの高さを実現して売り上げに貢献してくれるほか、搭載されたセンサやカメラなどによって、マーケティングに生かせるビッグデータを収集する究極のツール」と述べていて、学習するためのデータを収集するツールとしての有用性を紹介してくれています。