まずは、現段階での最もわかりやすいIoTの成功事例のひとつともいえるブリヂストンの事例を紹介するJapan Business Pressの記事から。つぎに、IoTを飛躍的に広める可能性のある技術インフラであるLPWAの紹介記事。さらに、スマホを使ったIoTサービスの可能性を解説してくれている記事と昔からITが導入されてきているからこそIoTとの連携にあたり難しい面があることを指摘している東洋経済ONLINEの記事を紹介します。

 

IoTが教えるダンプカーの経済的な走り方

Japan Business Pressの「be CONNECTED ビジネスを革新するデジタルトランスフォーメーション」の記事です。タイヤの世界最大手のブリヂストンが、鉱山用ダンプカーの「タイヤ」にセンサーを取り付け、タイヤのデータを取得・分析することで、タイヤの適切なローテーションや公立的なダンプカーの運用方法の提案などを含むタイヤのサービスビジネス化、”Tire as a Service”を目指すアプローチを解説しています。

その核となる技術がIoT。ブリヂストンが開発したIoT技術は「B-TAG」と呼ぶタイヤの圧力・温度管理機構。鉱山用のダンプカーのタイヤ内側側面にセンサを取り付け、タイヤの温度と圧力のデータを取得するものです。タイヤのデータはブリヂストンの鉱山車両向けクラウドサービス「TreadStat」で管理されます。

ブリヂストンがいま掲げているキーワードは”Tire as a Service”。これまでのタイヤ一つ一つを売り切るビジネスから、タイヤ提供のサービス化を目指している。タイヤの現場における運用・メンテナンス、そして廃棄に至るまでのプロセス全体を支援して、その価値に応じた対価を顧客から得るビジネスへとシフトさせようとしています。

現段階での最もわかりやすいIoTの成功パターンのひとつではないかと思います。

 

IoTの適応領域を拡大するLPWAのインパクト

IT Leadersが、IoTの適用範囲をさらに広げると考えられている技術インフラのひとつ、LPWA (Low Power Wide Area)を解説している記事です。

LPWAは低消費電力・広域通信を特徴とする無線通信技術の総称であり、2017年には
通信キャリア各社からLPWAサービスが相次いで発表されました。これまでの無線通信技術でIoTを実現しようとしたときには通信距離やコスト、消費電力が大きいなどの問題があり適用範囲を限定している面がありました。Wi-FiやBluetoothであれば通信距離が数十メートル以内に制約されますし、3Gや4G LTEのような携帯電話網には通信コストの問題がありました。また、いずれの技術にも電源を確保できない場所では使えないという問題がありました。

これらの課題を受けて登場してきているのがLPWA。LPWA規格はたくさんあり、大別すると既存の携帯電話網を改良したもと無線免許を必要としない周波数帯を利用するものに分けられますが、共通する特徴は電池交換なしに数ヶ月から年単位での通信を可能にすることにあります。また、利用帯域を絞り通信モジュールを単純化してデバイスコストを下げるとともに、通信速度を抑えることで通信コストの低価格を実現しています。

 

スマホさえあればIoTは始められる

ITproのIoTラクラク実践術の記事のひとつで、IoTを簡単にラクに実現できる製品やサービスが続々と登場していることを紹介している記事です。

IoTシステムを開発するうえで技術的なネックとなっていたのが組み込み系や通信に関する知識や技術を必要とすること。これまで企業システムの開発にかかわってきたITエンジニアだと難しいと感じる面がありましたが、そのネックを解消する手法としてスマホを使ったIoTシステムの開発を支援する製品・サービスが登場してきています。

たとえば、ボクシーズが提供するサービス「Putmenu」では、顧客がテーブルの上にPutmenu専用アプリをインストールしたスマホを置き、アプリに表示されたメニューから、注文したい料理を選ぶだけで注文が完了します。Putmenuでは、飲食店のテーブルの下に薄型のビーコンPaperbeaconを貼り付けることにより、顧客のスマホから注文情報とともにテーブルの位置情報を送っています。顧客はスマホから注文したら、テーブルに料理が届くのを待っているだけでようのです。

多くの人がもつスマホを使ったIoTサービス、IoTのセンサや通信装置としてスマホを利用することにより投資額が抑えられる面もあり、これからもいろいろ登場してきそうとのことです。

 

IoT普及に立ちはだかる旧来システムの呪縛

東洋経済ONLINEです。IoTの普及の最大の障害になりそうなものとして、20世紀型の業務システム、ITシステムの存在をあげているものです。

鉄道の相互乗り入れが進み、始発から終点までが長距離化した結果、100km以上離れた場所で発生した事故・故障が路線全体の運転に影響を与えることが増えましたが、ITシステムも似ている側面があるとのこと。既存の業務管理系システムをIoT時代に対応させることにより、末端のシステムの異常が瞬く間に全体に波及する危険性があり、それを避けるためには、スパケティのようにこんがらがったシステムとデータの構造を整理したうえで、IoTのシステムを既存システムにどのように追加していくとよいのかを決めてゆく手順が必要と指摘しています。

また、この問題が難しい理由は、既存のシステムは何の問題もなく動いており、IoTに対応するためとはいっても、既存のシステムの構造の整理だけのために多大な予算を投入しても機能が高まったり使い勝手がよくなるわけではないこと。ただ、この問題は90年代後半から指摘されている業務システムの問題でもあり、IoTによりいよいよ待ったなしの問題となってきたと指摘して記事を結んでいます。