オンラインメディアの三本の記事をピックアップして、Google Cloud Nextの二日間にわたる基調講演の内容を中心に、今年の東京で開催されたGoogle Cloud Next 2018の内容をご紹介します。

 

Googleが掲げる「すべての人にクラウドを」の本気度

週刊アスキーのGoogle Cloud Nextレポート記事です。Googleのプロフェッショナルたちが次々と登壇した2日目の基調講演を中心にレポートしてくれています。

この24ヶ月間に12ものリージョンが追加され、2016年には東京リージョン、2018年には独立した3つのゾーンを備えた大阪リージョンを開始するGoogle Cloud。インターネットを経由するスタンダードなネットワークに加え、低遅延・高いセキュリティのプレミアムなネットワークも用意しているGCPの売りでもあるグローバルのネットワークについては、あらためて今回の基調講演の中でもアピールしていたようです。

新サービスとしては、インメモリデータストアであるRedisのマネージドサービスである「Cloud Memorystore for Redis」の一般提供が発表。基調講演の後半では、新しいサービスパートナーとしてNECとNECネッツエスアイが参画したことが発表。NECはAWSやAzureなど幅広いパブリッククラウドのインテグレーションを手がけてきたが、今回いよいよGCPに対応します。

今回、基調講演内で多くの時間が割かれたのは、サンフランシスコのGoogle Cloud Nextと同じくコンテナ関連の内容。既存の環境とパブリッククラウドの組み合わせが増えてきている中で管理コストを減らすために重要となるのがコンテナであり、Googleはそのコンテナの技術をリードしてきた存在です。コンテナにおいて課題とされるコンテナサービスの認証やサービス間通信を解決するものとして、マイクロサービス間をつなぐサービスメッシュと言われるIstioのマネージドサービスを含むGCPのコンテナプラットフォームが「Cloud Services Platform(CSP)」。今年秋にアルファ版が提供される予定です。「CSPはKubernetesとIstioにより、あらゆる管理を一括して、同じ方法で行なえるようにするもの」とGoogle Cloud カスタマーエンジニア 技術部長の佐藤聖規氏は講演の中で述べています。

 

「Google Cloudの差別化要素は『AI』」CEOが基調講演でアピール

アスキークラウドのGoogle Cloud Nextレポート記事です。
1日目の基調講演においてCEOのダイアン・グリーン氏が、AI技術を強みとする同社の「Google Cloud Platform(GCP)」や「G Suite」の最新動向と日本市場での取り組みをアピールしたほか、Sansan、丸紅情報システムズ(MSYS)、PLAIDなどのユーザー企業も登壇した内容を中心にレポートしてくれています。

Google Cloud Nextでは日本市場向けに大きく2つの発表を行っています。
・日本企業におけるビジネス領域でのAI活用を拡大するための取り組み
・G Suiteの管理者向け新ツール(組織インサイト、セキュリティ調査)

AI活用の拡大に向けてはまず、開発者向け日本語版オンライントレーニングコンテンツの拡充、認定資格の開始などが発表。東京への「Advanced Solutions Lab(ASL)」開設も発表された。ASLは顧客企業のエンジニアチームがグーグルの機械学習エキスパートとの共同作業を通じて、実際のビジネスシナリオに機械学習を適用し、重大なビジネス課題の解決を目指す専門施設。大規模な機械学習モデルの作成やデプロイといったスキルを身につけるためのハンズオントレーニングや講習も予定しているとのこと。

他方、G Suiteでは企業の管理者向けツール「ワークインサイト」(ベータ版)が発表されている。ワークインサイトは、企業内におけるG Suite各アプリケーションの使用率(デプロイメント)や利用パターン、さらにチーム同士のコラボレーションなどを分析/可視化してくれるツール。この分析結果に基づき、アプリケーションの利用を促進する追加トレーニングを行ったり、コラボレーションの強化を促したりすることができるとしています。

基調講演の中でグリーン氏は、競合に対するGoogle Cloudの大きな差別化要素は、高度な「AI」と「セキュリティ」にあると自負していると語っています。基調講演の中で登壇した企業のひとつ、クラウド名刺管理サービス/アプリを提供するSansan CTOの藤倉成太氏は、同社がGCPに注目したきっかけはAI画像認識サービスの「Cloud Vision API」が提供されていたからであり、現在は名刺文字情報をテキスト化するOCR処理のプロセスの中で本番利用していると説明してくれています。

また丸紅情報システムズからは代表取締役社長の渡辺亮一氏が登壇し、同社が提供するコンタクトセンター向けソリューション「MSYS Omnis(オムニス)」においてGCPの「Cloud Speech API」を活用し、通話音声の高精度なテキスト化を実現していることを紹介してくれています。

基調講演にゲスト登壇した顧客企業はいずれもGCPの“得意領域”を十分に生かしてビジネス開発がなされている活用事例であることが感じられるものだったようです。

 

「ファーストリテイリングがGoogle Cloudと協業」の本当のインパクトは何か

@ITのGoogle Cloud Nextレポート記事です。
「Google Cloud Next Tokyo 2018」の基調講演にファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長の柳井正氏が登場、「衣料の開発・製造・販売でナンバーワンだと思っている私たちが、検索やインターネット、AIでナンバーワンのGoogleと一緒になって開発していく」と述べ、「こうしたパートナーシップは、似た考え方を持つ企業同士でしかできない」などと、今回の協業の奥深さを強調した講演の内容をレポートしてくれています。

ファーストリテイリングのプレスリリースでも発表されている通り、Google CloudのASL(Advanced Solutions Lab)チームと、日本初となるパートナーシップを組み、世界最先端の機械学習や画像認識技術を使った、商品のトレンドや具体的な需要の予測をする取り組みをファーストリテイリングは進めています。しかも、AIを活用して単純な需要予測を行うという取り組みではなく、ビジネス全体を変える武器として、データを活用しなければならないというのが柳井氏の考えのようです、

ファーストリテイリングでは大量生産商材の大量消費を前提とした需要予測だけを考えてはいない。マスカスタマイザーションおよびテイラーメイドに近いビジネス形態にも対応し、場合によってはニーズを先取りして、新たな製品を開発するのに適した予測を常時行う。これを全世界で、各地域に最適化した形で実行できるというのが、ファーストリテイリングの狙い。

柳井氏が今回の協業で求めているのは、自己学習、自己修正機能を備えた需要予測システム。一般的な需要予測システムは単純なトレンド分析の域を出ないために、ファッション業界では結局、クリエイティブスタッフが、『この地域ではどの色が流行しそうか』などさまざまな点を考慮して、直感で判断するところが大きい。これに対し、今回はディープラーニングに基づく自己学習的なモデルの開発で、高い予測精度を実現することを目指しているようです。