「オープンイノベーション」は、既存の大企業・大組織が、外部の協力者と積極的に協業して取り込んでいくことにより、新しいサービス・製品の開発をスピードアップさせる活動ですが、Nikkei Finch Conference 2017は、Fintechへの取り組みにおける金融機関とFintech系のスタートアップとの協業の姿はまさにその代表的な例であることが感じられるイベントでした。

その中でも、下記のふたつのポイントをよく感じられるレポートをご紹介します。
1.  金融機関がクラウド会計ソフトとの提携
2.  金融機関のAPI開放

「コンビニのATMがFinTechのプラットフォームになる」、セブン銀行とマネーフォワード

セブン銀行の「売上金入金サービス」利用拡大を目指した業務提携を発表しているセブン銀行法人営業部長の伊藤 浩太郎氏と提携先のマネーフォワード代表取締役社長CEOの辻 庸介氏によるセッションのレポートです。

セブン銀行が展開している、飲食店やサービス業などの事業者が日々の売上金を最寄りのセブン銀行ATMから入金できるサービスである「売上金入金サービス「と、マネーフォワードのクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」を連携させ、セブン銀行ATMでの入出金のデータを自動取得、自動仕訳できるようにすることにより日々の売上管理の手間を削減できるようにすることを二社は目指しています。

現在のセブンイレブンのATM利用は個人客が多く、ATM内の現金は減っていく一方で補充が定期的に必要であるのが、「売上金入金サービス」の利用が増えると、補充の手間が減るというセブンイレブン側のメリットと、銀行の夜間金庫よりも数多く、手軽に利用できるセブンイレブンで入金できるだけでも飲食店やサービス業の事業者にとっては便利ですが、それだけでなく、セブンのATMに日々の売上金を入金するとマネーフォワードのクラウド会計システムとシームレスに接続することで、管理業務の効率化も図られるという事業者のメリットも産んでいくことを目指した提携です。

 

なぜ金融APIは汎用的であるべきか、住信SBIネット銀行とネストエッグが議論

2016年12月に、住信SBIネット銀行とネストエッグはネストエッグの自動貯金サービス「finbee」に関して「更新系API」を用いた連携を開始すると表明していますが、その住信SBIネット銀行FinTech事業企画部長の吉本 憲文氏と、インフキュリオン・グループ代表取締役社長兼ネストエッグ取締役フェローの丸山 弘毅氏のセッションに関してのレポートです。

金融庁がAPIの提供を金融機関の努力義務とする報告書をまとめており、法案化に向かっているとみられていますが、住信SBIネット銀行とネストエッグは、住信SBIネット銀行のAPIをネストエッグの自動貯金サービス「finbee」と連携させることにより、ユーザがスマートフォンアプリを用いて、住信SBIネット銀行の「自分の口座から自分の口座への振替」ができるようにして、貯金サービスを実現しています。

住信SBIネット銀行では、以前から将来を見越して汎用的なAPIを用意していたことにより実現した提携であり、金融庁の方針もあり、各種金融機関が汎用的にAPIを整備して開放していくことが想定される中で、それらのAPIを利用した、新しい金融サービスが次々と開発されていくことがイメージされるレポートです。