まずは、中国で爆発的に普及が進んでいるモバイル決済、特にQRコードをベースとした電子決済についての記事をふたつご紹介します。次に、VISAジャパンの元会長である岡本氏の講演レポートを紹介します。いまなぜ地方銀行がスマホ決済に取り組むのか、なぜ日本のモバイル決済は普及が進まないのか、示唆に富む講演です。最後に、ドイツの自動車部品大手のZF社が発表したブロックチェーン技術を活用した自動車用の電子決済プラットフォーム「Car eWallet」についての記事をご紹介します。

 

なぜハイテク日本でモバイル決済が普及していないの? 海外紙が「先進国」中国と比較

BLOGOSの中国と日本の電子決済を比較論評した記事です。しばらく前に、中国のモバイル決済最大手の「Alipay(アリペイ)」が来年の春までに日本上陸するという報道がされたのも受けての、中国の電子決済の広がりと日本の現状を完結にまとめてあるレポートです。

日本
・モバイル決済を「利用している」のは6% (日銀の昨年6月発表のレポート)
・日本でのモバイル決済導入には、店舗側に10万円程度の端末設置費用が必要
・さらに、端末の月額利用料が必要とされ、個人商店での普及を阻害

中国
・モバイル決済の利用率は、都市部では98%
・QRコードベースの決済には、店舗側に端末が不要で個人商店での普及に結びついている

観光立国を目指す日本政府として、2020年東京オリンピックまでに電子結菜端末を導入する店舗に補助金を出すなどの決済の近代化を支援する方針をすでに打ち出してもいますが

すでに中国では多くの店では、Alipayか WeChat Payでの支払いに対応している。多くの中国人消費者は、世界のどこへ行ってもモバイル決済で買い物ができることを望んでおり、これらの中国人富裕層のニーズに応えることが、日本でも必要となってくるだろうと結んでいます。

 

日本では失速も… 中国で「QRコード」が異常な人気 爆発的普及で「強盗」横行

SankeiBizで、中国で爆発的にのびているQRコードベースでの電子決済をリポートした記事です。

中国では決済だけでなくQRコードがさまざまに利用されており、そのきっかけとなったのは中国で7億6800万人のアクティブユーザをほこるメッセージングアプリWeChatであることの紹介がされています。またWeChatなどのモバイル決済では、請求書などにプリントされたQRコードを読み取って、銀行口座と連携しているWeChat Pay支払いで支払いをすませたり、逆にQRコードを店員に提示して支払いを行なったりするとのこと。

このような中国で普及しているモバイル決済は、2016年の訪日外国人観光客2400万人の中の30%近くをしめる中国人を取り込むために重要であるだけでなく、インドなどでもQRコード決済がのびているとのこと。中国ではQRコードの改ざんなどの犯罪行為も増えているようですが、中国人のリーチするにはQRコードはマーケティングのツールとしても効果的であり、モバイル決済は無視できない存在であると結んでいます。

 

電子決済の未来、スマホより生体認証に注目

日経ビジネスオンラインの慶応ビジネススクールEXECUTIVEの記事です。ビザ・ワールドワイド・ジャパン元会長の岡本和彦氏による講演の中での電子決済に関連する内容をレポートした記事です。

まず横浜銀行が来年春から「はまPay」というスマホ決済サービスを開始することをしばらく前に発表していますが、いまなぜ地方銀行が決済事業に注目しているのか、銀行が決済機能をもつとなぜ強いのかを説明してくれています。

1. クレジットカード会社が各加盟店に振り込む際に銀行に支払う振込手数料を、銀行自身が決済機能をもつ場合には銀行は他社に支払う必要がないので有利
2. 加盟店の日々の売り上げが見えるようになり、銀行が取引先の状況をより正確に把握できるようになる

つぎに、日本での電子決済が普及しない理由について説明してくれています。日本でのモバイル決済の利用は以前よりも少なくなってきており、その理由は、Suica, ID, QUICPayなどのいろいろな仕組みが乱立していて相互に利用できず、国際標準でもないこととのこと。

また、そもそもスマホを決済のための認証の手段に使うという仕組みは、スマホをなくした場合のことを考えると仕組みとして適切ではないのではないかと疑念を呈しています。まだすこし年月がかかると思うが顔や指紋・静脈・虹彩などの「生体認証」が決済の認証の手段となるのが本命ではないかと決済の方向性をのべています。

 

ZFなど3社、自動運転車向け電子決済プラットフォーム開発へ

自動車をはじめとする移動体に関するデジタルメディア、responseの記事です。ブロックチェーン技術を活用した自動車用の電子決済プラットフォームをドイツの自動車部品メーカ大手のZF社がUBSおよぴIBMと共同開発することを発表したことを取り上げています。

開発が加速する自動運転車だが、完全自動運転実現のためには各種支払いの自動化も不可欠
となります。駐車場や有料道路、そして将来的にはカーシェアリング、給油や充電、さらには配達サービスなどの電子決済が人手を介さずに実行されるようになることが望ましいわけですが、そのためには、各ユーザー情報を安全に維持・管理し、ほぼリアルタイムでの安全な支払いを実現する仕組みが必要となります。

ZF社が今回開発することを発表した電子決済プラットフォーム「Car eWallet」は、ブロックチェーン技術を活用した自動車用の電子決済プラットフォームで、IBMブロックチェーンテクノロジーをベースにクラウド経由でサービスを提供。駐車場や有料道路、そして将来的にはカーシェアリング、給油や充電、さらには配達サービスなどの電子決済が可能となるとのことです。

情報を改ざん不可能とするブロックチェーンの技術が、今後さまざまな分野にいろいろ活用されていくことがイメージできる開発発表かと思います。