「エッジコンピューティング」はMicrosoftの戦略エーワードともなったことにより最近耳にすることがふえてきたキーワードですが、まずはそのMicrosoftの提唱するコンセプトと戦略・技術についてふたつの記事からご紹介します。そのあと、エッジコンピューティングに関するIDCの調査報告と、エッジコンピューティングが最も必要とされるとみなされている自動運転の分野での団体設立の報道についてご紹介してエッジコンピューティングという概念から関連する世の中の動きをご紹介していきます。
クラウドファーストから「インテリジェントエッジ」へ、MSの戦略シフト
ASCC.jp x クラウドの米Microsoftが5月10日〜12日までの3日間、シアトルで開催した年次開発者会議「Build 2017」レポートです。
初日の基調講演で、サティア・ナデラCEOが、これまで同社の戦略として掲げてきた「モバイルファースト、クラウドファースト」に代わる新たな構想として、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を打ち出したことを紹介しています。
これからの大規模なデータを生成し続けるIoTのシステムでは、クラウドのAIとエッジデバイス
リアルタイムに連携することでエッジ側もインテリジェントとなる “Intelligent Cloud + Intelligent Edge」を次のMicrosoft Azureの戦略とするとのこと。
またそれを実現するテクノロジーとしては、「マルチデバイス」「AI」「サーバレス」とし、エッジ側で必要なテクノロジーとしてはマイクロサービスやコンテナーとして、IoTデバイスがAzure上のサービスと通信するためのクライアントアプリケーションをDockerイメージとしてデバイス上にデプロイする Azure Iot Edgeも発表しています。
5分で分かる、MSが提唱するインテリジェントな「クラウド」と「エッジ」の真価
ITmediaエンタプライズでの、Microsoftが提唱しているインテリジェントクラウドとインテリジェントエッジについての解説記事です。
分散コンピューティングからまたクラウドによりコンピューティング資源をクラウドに集中する流れがあったものの、ビッグデータ、IoTの流れの中で、さらに大量のデータが生成されるようになると、データが生成されるデバイス・エッジ側でできることはローカルに処理する必要性がまた高まってきたと解説してくれています。
また、Microsoftのインテリジェントエッジのコンセプトの中では、クラウド側の処理はサーバレスが中心になっていくことも解説してくれています。
IoTの台頭で「エッジコンピューティング」に脚光、クラウドと並び立つ存在に~IDC調査
2016年9月の「エッジコンピューティング」に関するIDC調査をレポートしたクラウドWatchの記事です。
エッジコンピューティングの概念の解説から入っており、IoTに限定されない概念ではあるもののIoTの普及にあたり、通信の効率性や応答性の面で課題があり、対策としてエッジコンピューティングが必要とみなされつつあり、「IoT時代において、エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングと並んで重要になる」とIDCは予測しておりねすでにIoT機器に近いエッジでアナリティクス処理できるように国内ベンダーも取り組んでいると報告しています。
トヨタとNTTら、クルマ向けエッジコンピューティング団体を創設
トヨタ、インテル、NTTらがエッジコンピューティングに関する団体の創設発表をレポートしているbusiness network.jpの記事です。
自動運転、コネクテッドカーの実現に向けて必要なネットワークおよびコンピューティング基盤づくりを推進することを目的として、8月10日、「Automotive Edge Computing Consortium」が創設発表されています。
大規模なデータを生成するIoTの代表的な例が自動運転、コネクテッドカーですがエッジコンピューティングがコンセプトから具体的な実装に進みつつあることを感じさせてくれる発表です。