イベント全体の様子をレポートしてくれている記事が見当たりませんので、個別の講演についてのレポート記事の中から4つ紹介します。

 

デジタル化が生活に恩恵をもたらす、平井IT担当大臣

デジタルイノベーション2019のキーノートで講演を行った平井IT担当大臣の講演レポートです。「ITがもたらす日本、日本企業のデジタルイノベーション」と題して、政府のデジタル化に対する取り組みなどについての講演をレポートしています。

平井大臣は以前から、IT関連政策に取り組んできた政治家として知られ、議員時代には、サイバーセキュリティ基本法制定にも中心的に関わった経験をもつ方。講演では、デジタル化の促進のため、行政手続きを原則オンライン化するデジタル手続法案の早期成立の意義を強調。

また、社会全体のデジタル化を促進するための政府の取り組みとして、シェアリングエコノミーの推進、自動運転の社会実装、農業や港湾物流、健康医療分野のデータプラットフォームの構築などについて言及したとのこと。

デジタル化の推進には認証、本人確認基盤が重要になるとのことで、平井大臣は、マイナンバーに加え、マイナンバーカードの普及の意義をも強調したようです。

 

SOMPOが目指す「保険がいらない世界」、デジタル変革で実現へ

SOMPOホールディングスの楢﨑 浩一グループCDO・常務執行役員が行ったキーノートでの講演レポートです。保険がいらない世界をデジタル変革で実現したいという内容となります。

シェアリングエコノミーやスマートホーム、ウエアラブルデバイスの普及は、保険業界に破壊的なイノベーションを起こしているとのこと。例えばUberやLyftの登場で、自動車の保有率は低下している。今後、自動車保険の顧客は、個人ドライバーから事業者(メーカー)にシフトし、その契約内容も変化する。

そのような変化の中で、今後SOMPOホールディングスが提供するサービスは「安心・安全・健康のテーマパーク」とのこと。これまでの保険は、事故や病気になってから必要になるもの。これでは保険に対する顧客満足度は向上しない。現状を変革するためには、事故を起こさせない、病気にならないようなサービスを提供することが重要だと考えているようです。

デジタル戦略の推進体制強化としての取り組みが、「既存ビジネスのデジタルシフト支援」と「新規事業の創出」。例えば、AI技術を使ったOCR(光学的文字認識)処理で紙の保険証券を自動的に解析し、リアルタイムで保険見積もりを顧客に提示するサービスを提供している。ダイエット支援アプリを提供する米Noomと協業し、AIによる健康コーチングのサービスなども開発しているとのことです。

 

「デジタルネーティブ世代が今後の安全対策の主役」、金融ISACの鎌田氏

金融機関向けのセキュリティー対策に従事する金融ISACの鎌田敬介専務理事/CTOがキーノートに登壇。これまでの経験を踏まえ、これからの時代を担う人材に必要なIT・セキュリティースキルとセンスなどについて語りました。

近年、IT業界にはAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、IoT、ブロックチェーンなど、次々に新しいキーワードや概念が出てきていて、学びのサイクルを短縮する必要性が高まっているとのこと。

学びのサイクルが早い現代感覚の人にはどんな特徴があるのか。鎌田氏が挙げた人材像は以下の通り
・「ゴールまでの道筋が見えていなくても、まずは試してみる」
・「インターネットなどを活用し、自分以外の力に頼って実現することに慣れている」
・「突破力が高い、あるいは別の道を模索する力にたけている」
・「世の中の変化にアジャストするサイクルが早い」

このような世の中の変化の中で、数値化されない状況で先に進む決断のできる経営層が、今後の組織には必要となることを鎌田氏は強調。また、学習サイクルのスピードが上がっているなかで「ITが中核を担う存在になっている」と語りました。

 

「RPAのノウハウを共有して世界と戦う」、三井住友FGの山本氏

三井住友フィナンシャルグループ 総務部上席推進役 兼 企画部業務改革室上席推進役の山本 慶氏は「SMBCグループにおけるRPA活用の取組について」という題にて、仕事の質を高めるPRA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用して生産性の向上を図る取り組みなどを紹介しました。

SMBCグループでは、2016年ごろからRPA導入を進めることになったとのこと。当時はRPAの大規模な導入事例がなかったため、導入後の保守や管理、セキュリティー、ガバナンスコントロールのノウハウを迅速に確立する必要があり、アクセンチュアや米IBM、SMBCグループが利用するRPAベンダーの米ユーアイパス(UiPath)などが集結し、チームとなって問題解決を進めたようです。

この二年間の成果としては、2018年上期実績で約800人分の業務を自動化。さらに、2019年度末までに1500人分の自動化が見込まれているとのこと。今後の展望としてはRPAを活用し、24時間365日安定的に稼働できるプラットフォームの構築を推進するとともにロボットによるロボットの監視や統合管理体制の高度化などの実現を目指すようです。