デブサミ(Developers Summit)は、多くの講演スライドが公開・共有されますが、すでにアップされているものの中から、ネット上でもコメントされているものなど、ピックアップして紹介します。

 

Google のインフラ技術から考える理想のDevOps

GoogleのCloud Solutions Architectである中井さんの講演です。スライドの最後の「まとめ」にも記載されていますが、「開発」と「運用」の間の「本質的でない依存関係」をなくすことが重要で、そのためには「レイヤーごとの責任分界点を明確」にすることが必要というのが結論ですが、

下記のようなブログに、参加者のコメントが書かれています。
http://ryoichi0102.hatenablog.com/entry/2017/02/16/215936
http://su-kun1899.hatenablog.com/entry/2017/02/16/223000

「重要なのは知識としてのフルスタック」、
つまり、責任分界点を明確にするためにも、依存関係をなくすためにも、「開発」と「運用」の両サイドで、開発から運用までの全般にわたる基礎的な知識理解をもっていることが必要といっているようです。

優秀な人がそろっているGoogleだからできる側面を感じるとともに、DevOpsは実現できるとよいけれども、やはり、現実に実現するためには、必要となる現場のメンバーがもっているべき知識・能力と、それを前提とした上での仕事の仕方の工夫が必要ということだと思います。

 

人工知能の研究開発チームがプロダクト・組織をどのように変えたのか

サイバーエージェントのAI Lab所属のデータサイエンティスト谷口さんの講演です。
ネット広告の代理店からスタートしたサイバーエージェントが、amebloをはじめ、自社メディア・プロダクトを持つようになり、自社内の技術部隊も大きくなり、人工知能の研究開発チームも強化していっている中で、「研究開発チーム」という顧客から一番遠いところにいるイメージのある部隊を
・どのように顧客と直接対峙している事業部門と連携させるか・組み込むか
・研究開発した知見を社内で共有して活用してもらうか
・専門技術分野への対応に社外のリソースをどのように活用するか(産学連携など)
という取り組みをしてきた内容を紹介してくれています。

ネット企業もメーカのようになってきましたね

 

視点移動~ビジネスと組織と人の狭間で越境し続けるエンジニアの物語、その彼岸

ソフトウェア開発において、「正しいものを正しく作りたい」、正しいとは「目的」、つまり顧客のニーズ・ユーザの求めていることなどを実現することであり、そのために、組織の壁を超えて、開発会社のエンジニアであろうと、当事者意識の境界を超えて、当事者意識をもって、さまざまな立場での「視座」を行き来できるようなならないといけない

それができれば理想であり、それを目指すならば、開発手法としては「仮説検証とアジャイル開発」となるようです。

ギルドワークス株式会社の社長市谷さんの講演です。講演を聞いた人が、感動しましたとブログにも書いていますが、熱い思いがスライドからも伝わってきます。

 

『逆説のキャリア思考』 — 正しく孤独を楽しめ

東京大学の産学協創本部の馬田さんの講演です。
256Pにわたるスライドは読むのにつかれる面もありますが、いろいろ変化が激しくなっている、この世の中のキャリアの考え方を整理してみるにはいいかもしれません。
結論的なことは、以下のあたりの内容です。
・ユニークなキャリアを構築して、それをみなに知ってもらう努力をすることによりニッチでも、その分野でのほかに競争相手がいない状態を作ることがキャリア構築として重要。ポイントはユニークなキャリアを構築することと、それを知ってもらうこと
・ユニークなキャリアをある分野で構築するのに目指すときに、まずはよりニッチな限られた分野でユニークになることを目指し、そのポジションができたのちに自分がユニークとなる分野を広げていくという順序で進むのがよい
・題名の「逆説の」というのは、ユニークなキャリアを構築するために、選ぶべき分野は今現在は多くの人に有望と認識される分野であってはならず、いまは多くの人には有望と認識されない分野を選ぶことによって、はじめて自分がユニークになれるところからきているようです
・「正しく孤独を楽しめ」というのも、今現在は多くの人には有望な分野だと賛同されない分野の可能性を見つけ、信じ、その分野でユニークとなるために日々の積み重ねを続けていくことが、成功するキャリアを構築するプロセスとして必要ということのようです