CEDEC 2018のレポート記事の中から4本をピックアップして紹介します。

 

大規模VRはオンラインゲームに近い」ハシラスが目指す最先端VRの先にあるもの

4Gamer.netが運営するgamesindustry.bizのcedec2018レポート記事です。
ハシラスは,いわゆるロケーションVR(施設型VR),つまり専用施設用に大型VR機器を用いた体感VRデバイスとコンテンツを提供する会社として知られている会社。創立から4年間で,実に40種ものVR筐体を開発して各地のVR施設に納入しているという。

創業以前から体感型VR筐体一筋なハシラスだが,同社が体感型大型筐体やロケーションVR分野に取り組むのは、ロケーションVRがVRの最先端に立っているから。ハシラス社長の安藤氏は,「VRというのは,まだまだ知見を集積しなければならない分野である」と語る。また安藤氏は、現在はエンターテインメント中心のVRがやがて暮らしの中に入ってくるとも見ているようです。そういった実用品と化したVR機器で現在集めている知見が大いに役立つのだといいます。つまり現在のロケーションVRは,未来の世界を先取りしているものだと安藤氏は主張しています。

人々がVRに求めているもの。それは、「別の自分になって」「別の世界に行って」「仲間と過ごすこと」とのこと。「映画もマンガもラノベも,すべてVRに求めているモノは同じだ」との話で安藤氏は講演をしめくくっています。

 

gumiが『ドールズオーダー』の事例をもとに”意思決定”に利用できる分析データを紹介

スマホアプリ/ソーシャルゲーム情報サイトのSocial Game Infoのcedec 2018の中でgumi・Technical Strategy & Development Managerの松浦遼氏の講演記事です。

昨今、モバイルゲームのリッチ化により精度の高い施策立案が不可欠になっている中、各アプリ個別のユーザ行動データを可視化して現場のプランナーが活用できるようにしなければならないという課題にgumiがどのようにして立ち向かってきたのか。実際に利用しているサーバーサイドの統一内製フレームワークを説明しながら、外製クラウドデータ基盤・BIツール・データ分析ツールなどを組み合わせたデータ活用事例を紹介してくれた講演です。

意思決定のサポートに使えるデータとは、結果としてのKPIの原因を推測することを可能とするユーザ行動データ。そして、ゲームは運営されていくものなので、繰り返し分析は行われるもの。そして、分析要件は変わっていくものなので、分析は自動化もするものの随時処理を変更していくものとのこと。また、分析要件が変わっていくことから、ローデータあるいはローデータに近いデータは残しておく必要性があると繰り返しふれていたようです。

続いて、データ分析の着眼点について紹介してくれています。
・機能の稼働状況の監視
・想定した遷移の進行度の監視
・多くの要素の中にどんな関係があるのか発見

最後の3つめの分析は、想定外の遷移を発見するための分析。このような分析のためにもローデータは必要となり、ログ出力は共通基盤でなんでもスキーマレスで出力するようにしているとのことでした。

 

「CEDEC 2018」で存在感を放ったリアルタイムアンケートシステム「respon」の魅力とは

ゲームビジネスの明日を考えるメディア「GameBusiness.jp」のcedec 2018レポート記事です。
「CEDEC 2018」では、株式会社レスポンによるリアルタイムアンケートシステム「respon(レスポン)」が導入されました。「respon」とはどのような魅力を持つサービスなのか? 「CEDEC 2018」での採用例をまじえながら紹介してくれています。

「respon」は、スマートフォンを使ってリアルタイムでアンケートを集計できるサービス。授業で教員が質問を投げかけ、学生たちがリアルタイムでそれに答える――学生が受動的に授業を受けるのではなく、能動的に学ぶ”アクティブラーニング”を実現するツールとして、大学を中心に活用されています。

人が集まる場にそんなインタラクティブ性をもたらす「respon」は、今はセミナーやイベントなどの会場でも使用されています。このサービスがもたらす双方向性コミュニケーションは、今後ますます重要視されていきそうです。

このWebページにも貼り付けられている動画では、responを利用している大学の学生の声も紹介されています。
・いい意味で場の共有ができる
・みんなが何を考えいるのかばーと見えてきておもしろい

スマホを使った、特に日本人向きの新しい場の共有方法となりそうです。

 

9000種類の「遊戯王」カードを画像認識で判別、コナミが独自手法開発

日経XTECHのcedec2018レポート記事です。
コナミデジタルエンタテインメントの開発者2人が9000種類にのぼる遊戯王のカードを画像認証させる方法をR&Dした結果を報告してくれています。

遊戯王は現実世界でカードを出し合って遊ぶゲームですが、将来的にコンピュータゲームと連動できるようにして新しい遊び方を提案する狙いがあるとのこと。

興味深いのは、当初開発したシステムでは、9000種類に上るカードの機械学習に20日間を要し、判別精度も50%程度にとどまったこと。画像認識はディープラーニング技術により認識精度も高まり場合によっては人間を上回る認識精度を実現したとも報告されていますが、単純に画像サンプルを機械学習システムに投入してもうまくいかない場合は結構あるのかもしれません。

そこで行き着いたのが、「半透明合成学習」という手法。カード画像をCGで制作し、2枚の異なるカード画像を半透明化したうえで合成。これを機械学習用の画像として使うとのこと。

機械学習の所要時間は20日間から4~5日間程度に短縮し、判別精度もほぼ100%となったようです。半透明合成したカード画像は人の目では見分けにくいですが、コンピュータにとってはかえってカードの特徴が際立ち、処理効率が高まったとみているようです。