まずは、IDC JAPANが最近発表した、国内のビッグデータ分析の動向調査結果を紹介します。そのあと、ビッグデータの利用事例として、フード業界での事例、保険業界の事例、および教育業界での事例を紹介します。やはり身近なレストランや子どもの通信教育などでも活用されるイメージを提示されると、ビッグデータの活用も身近になりつつあることが感じられる事例かと思います。

 

国内企業のビッグデータ活用を阻む要因は何か?

IDC Japanが8月30日、国内のビッグデータ/アナリティクス市場についての調査結果および市場予測を発表していますが、それに関するマイナビニュースのレポートです。

  • 国内企業のビッグデータ/アナリティクスへの取り組みに関する成熟度の分析結果として、部署レベルでの活用はできているが、部門をまたがるレベル、全社レベルでの活用には至っていない企業がいまだ多いとのこと
  • 国内企業のビッグデータ活用の拡大を阻む要因は、「人材の不足」「組織間の壁」「不十分な予算」「システム・データの断絶」の4点
  • データアナリティクスを推進する組織を専任の組織を持つ企業は全体で22.1%。ただし、全体で37.7%の企業が「専任組織を検討中」と回答
  • 2016年の国内ビッグデータ/アナリティクスのテクノロジー/サービス市場は、前年比8.0%増の高い成長率を記録し、市場規模は8860億6100万円
  • ビッグデータ/アナリティクス市場の技術トレンド:「セルフサービスBIの普及」「クラウドデータサービスの急成長」「非構造データ活用への再注目」
  • セルフサービスBIの活用状況を聞いたところ、全体の67.0%が「利用中」
  • 「Hadoop」の利用が大きく拡大する兆しを見せているという。現状では、Hadoopを導入している企業は10%に達していないが、40%の企業が2017年から2018年に導入を進めると回答。Hadoopは数年前に盛り上がって、最近は沈静化していたが、ここにきてまた注目を集めており多くの企業が具体的な目的をもって、2017年、2018年と時期設定して導入を進めている

 

他店に先んじるためにレストランはビッグデータを使って厳しい競争に勝ち抜く時代

IT技術の発展により、レストランなどのフード業界にもビッグデータ活用の波が押し寄せているという紹介をしているGigazineの翻訳ニュース記事です。

背景にあるのは、フード業界でもPOSシステムやデータベースを使った管理が当たり前になっていて、客はインターネットを通じて店に予約を入れ、注文は店員が持つハンディ端末に入力され、支払いはクレジットカードで行われるようになっているので、全ての情報はトラッキング可能な状態でひも付けられ、膨大な量のデータや顧客情報から客の好みの料理やサービスの方法をはじき出すことができるはずだという考え方です。

レストラの運営を1つの分析ソフトで把握できるSalidoのようなシステムは、テクノロジーを活用することによって、数十店舗を運営するような規模になったレストランチェーンでも『小さなレストランを一軒運営していて、全てのお客さんの名前を知っているような店だったらどんなことをしたいのか』ということを実現することを可能とすることを目指しているとのこと。

それでもお気に入りのシェフの顔が見える小さな行きつけのレストランは価値のある存在ですが、ファミリーレストランでも、自分がなんどもよく行くお店だと、自分の好みがわかってくれて新メニューを案内をしてくれたり、サービスをしてくれるようになれば、うれしいですね。

 

第一生命と日立、医療ビッグデータで生活習慣病の入院予測モデルを開発

IT Leadersの事例ニュースです。第一生命保険と日立製作所が2017年8月31日に、医療ビッグデータを生命保険事業に活用する共同研究により、「生活習慣病に起因する入院の可能性とその日数」を予測する定量評価モデルを開発したと発表したことを取り上げています。

生活習慣病などにかかっている人はその健康状態を理由に生命保険に加入することができないケースや、生命保険には加入できるものの8大生活習慣病の特約を付けられないケースがありますが、第一生命では、今回開発したモデルをもとに加入範囲を拡大する見直しを2017年7月に実施して、見直し後の約1カ月間で300人を超える顧客が新たに生命保険に加入したとのこと。

たとえば高血圧治療中の人に本モデルを用いると、その他に一定程度「健康を阻害する要因」がある場合でも、健康な人の入院可能性・日数との差が小さくなる条件が特定でき、その条件に該当する顧客については保険を引き受けできるように基準を見直したようです。

保険は昔から統計分析により保険商品を作ってきた分野なだけに、ビックデータの活用によるより高度な保険商品の開発はいろいろ進んでいるようです。

 

「ビッグデータ」の活用で変わる家庭学習の未来とは?

ベネツセ教育情報サイトの、全8回の連載「勉強が続く! わかる! 『ビッグデータ』時代の家庭学習」
の最終回記事です。ベネッセ教育総合研究所カリキュラム研究開発室長の中垣眞紀氏が、進研ゼミの教材制作の担当者を取材して、教育におけるビッグデータ活用の「現在」と「未来」について説明してくれています。

進研ゼミのビッグデータは、一人一人の子どもが日々、どのような学習をしたかの学習記録の蓄積であり、「学びのヒストリー」の集合であり、その学びのヒストリーから子どものインサイトを探って、教材制作に反映したり、データを分析してわかったことを個々の子どもに赤ペン先生などが伝えているとのこと。

また、どのように子どもの力をのばすことができる教材ができるかという教材の設計の場面においてもデータをみながら組織的に議論して検討しているとのこと。

さまざまな可能性をもった子どもたち。親でもなかなか気づけない子どもの伸びる予兆などを学習記録からみつけ、その子どもの良さ、可能性をビッグデータを分析して見つけて伝えてくれるようになるとのこと。本当に実現したらと思うとわくわくするビジョンですね。