今年のAWS Summit Japanの基調講演のレポートを二本まず紹介します。新サービスの発表から事例紹介での顧客からの発言などからピックアップして紹介します。その後に、事例講演として朝日新聞の講演をレポートしている記事を紹介するとともに、AWSのサービスとしてこれから注目をあびそうなAmazon Connectのセッションをレポートしている記事を紹介します。

 

クラウドファーストからクラウドオンリーへ–AWS Summit Tokyo 2018

ZDNet JapanのAWS Summitレポート記事です。初日の基調講演で、社長の長崎忠雄氏が2017年度比の売上成長率が49%と大幅な成長を続けていることをアピール。クラウドとAWSの成長は続いているようです。

基調講演にはKDDIやソニー銀行、ABEJA、SOMPOホールディングス、デンソーという名だたる大企業のゲストスピーカーが登壇。クラウドとAWSが企業の基幹業務に浸透してきていることがはっきりとしてきたようです。

ソニー銀行の福嶋達也氏は「クラウドファーストからクラウドオンリーへとさらなる変化が訪れている」とのべ、KDDIの理事 技術統括本部の中島昭浩氏は、KDDIのクラウド活用について「プライベートクラウドとパブリッククラウドの利点を用途別に使い分け、必要に応じて組み合わせることで、ハイブリッドクラウドを構築している」とのこと。

中島氏は今年稼働を開始した大阪リージョンを正規リージョンに格上げしてほしいとの要望を掲げた。シンガポールなど海外でなく、国内での完全なるBCP拠点として活用することや、大阪リージョンの単独利用を実現したいという。国内2カ所目の大阪リージョン、企業からのニーズが高いようです。

 

AWS Summit Tokyo 2018の初日基調講演における新しい話題とユーザー企業が語ったこと

@ITのAWS Summitのレポート記事です。初日基調講演における新サービスの発表を取り上げています。

まずは「AWS Loft Tokyo」の開設。2018年10月、米国サンフランシスコとニューヨークに次ぎ、世界で3番目のAWS Loftが東京に開設される。場所は、AWSジャパンが新たに入居する目黒駅前のビル内。AWS Loftはスタートアップ企業支援のための常設スペース。AWSジャパンのソリューションアーキテクトが常駐し、技術的な質問に答えてくれるとのこと。また、技術や起業プロセスなどの話題に関するセミナー、ワークショップを頻繁に開催。自習型のテクニカルハンズオンラボもあるようです。さらにコワーキングスペースが無償・予約不要で使用可能。AWS Loft Tokyoには、AWSアカウントを持っていれば誰でも入ることができる。

次に、「Amazon Elastic File System(Amazon EFS)」。2018年7月に東京リージョンで提供開始される。Amazon EFSはNFSをストレージアクセスプロトコルとして使うファイルサービス。これまでAWSでは、ブロックストレージとオブジェクトストレージを提供してきたが、ファイルストレージはAmazon EFSが初めて。Amazon EFSはニーズに応じて自動的に伸縮。支払いは実際に使用した容量に対して行う。追加料金を払うことなく、複数アベイラビリティゾーン(AZ)を用いて冗長性が確保される。

さらに日本国内のユーザーにとってAWSを使いやすくするための施策として、東京リージョンに4つ目のAZが設けられ、準拠法をAWSマネジメントコンソールで日本に変更できるように。

 

機械が見出しを自動生成!編集業務をテクノロジーで変革する朝日新聞社

ASCII.jpのAWS Summitレポート記事。5月31日に「機械学習を用いた編集業務の生産性向上への取り組み」というセッションを披露した朝日新聞社の講演をレポートしています。

講演で紹介していたのは、記事のデジタル化に必要な写真を探してくれる「関連記事・画像検索サービス」。もともと写真のない記事でも、デジタル版で配信する際は、写真があった方が注目されやすい。しかし、記事にあった写真を探すのは手間がかかる。プロトタイプの評判もよく、編集者が記事の本文を入力すると、内容を解析して写真を提案してくれる機能を編集者用のCMS(コンテンツ管理システム)に実装したとのこと。

また本番環境ではサーバーレスに移行し、インフラやセキュリティ、運用保守を省力化。メンバーは開発に専念できる体制を実現することにしたという。編集者が記事内容をCMSに登録すると、Lambda経由で推論APIを呼び出し、その結果を基にElasticsearchの検索が走り、あらかじめS3に保存された画像から最適なものがリコメンド。2017年6月から現場で利用しているとのことです。

サーバーレス化のメリットは大きかったようです。フロントがマネージドサービスなので、少人数でも運用でき、スケールにも悩まずに済む。フロントにEC2を用いた場合に比べ、コストも大幅に削減できたほか、デプロイまでの時間もスピーディに。「フロントと機械学習でコンポーネントを分離したため、柔軟な機能改修が実現した。Lambdaのコード容量など制約事項も多かったが、メリットのほうがはるかに大きかった。まさに安い、早い、うまいというメリットが得られた」とは講演者の落合氏の言。

 

コンタクトセンターの置き換えにとどまらないAmazon Connectの破壊力

週刊アスキーのAWS Summitレポート記事です。AWS Summit 2018」で行われた、AWSのコンタクトセンターサービスである「Amazon Connect」のセッションをレポートしています。

Amazon.comでは、全世界で約7万人のカスタマーサービススタッフが顧客をサポート。既存のコンタクトセンター製品には「複雑で使いづらい」「インテグレーションが困難」「構築のための高いコスト」「電話というハードウェアの所有」のほか、「セキュリティ」「信頼性」「スケーラビリティ」などさまざまな課題があるとのことで、自社に最適なソリューションを実現すべく、AWSクラウドをベースに開発したのがAmazon Connectの原型。

クラウドネイティブなAmazon Connectは、コンフィギュレーションがセルフサービスで行なえるほか、個人に最適化されたコンタクトフローを提供。また、API経由でAWSのエコシステムと連携しやすいオープンなプラットフォーム。接続時間に応じた従量課金で、電話回線を手配する必要もない。

Amazon ConnectではコンタクトフローからLambdaを呼び出し、AWSの各種データベースや既存のCRMと連携させ、顧客ごとのコンタクトフローを実行したり、QuickSightなどのBIツールで分析することもできる。

また、セッションの後半ではML(Machine Learing)サービスを駆使することで、大幅な自動化や省力化を実現するデモを実施。Amazon Connectで取得された通話録音は、Lambdaでエージェントと顧客の会話に分離され、音声認識技術のAmazon Transcribeで文字興ししたテキストデータをAmazon S3に保存。いったんテキストにしてしまえば、自然言語処理が可能なAmazon Comprehendで分析し、トピックを分類したり、顧客の感情を分析することも可能。

単なるコスト削減や電話のリプレースを実現するだけでなく、MLサービスをさまざまな形で組み合わせることで、今までと異なる価値をカスタマーサービスや顧客管理にもたらす可能性を感じさせるセッションだったようです。

DWHの常識を破壊したRedshift、クラウド型DBの未来像を描いたAuroraに続く、次のAWSのキラーサービスとしてAmazon Connectが注目されるのは確実と言えるとのコメントで記事を結んでいます。